阪神からドラフト4位指名を受けた上武大・島田海吏外野手(21)が、藤浪打ちで開幕1軍をつかみにいく。12日、群馬・高崎市内のホテルで契約金5000万円、年俸800万円で仮契約を結んだ(金額は推定)。色紙に「開幕一軍」と力強く書き記し、「キャンプでアピールするしかない。今の段階からしっかり整えて、万全に準備したい」と意気込んだ。

 甲子園は成長のきっかけになった場所でもある。島田は九州学院2年時の12年センバツに出場。2回戦には1学年先輩の藤浪を擁した大阪桐蔭と対決。3-5で敗退。8番中堅で出場した島田は、完投した藤浪に2打数無安打1三振に抑えられ、9回には代打を送られるなど苦い経験をした。「格が違いすぎた。手も足も出ない状況だった。プロに行く人はああいう球を投げるんだな、と思いました」。最高峰のレベルを知り、大学4年間でさらなるレベルアップを誓った。

 あの春から5年半。雪辱のチャンスが巡ってくるかもしれない。来春キャンプで1軍に振り分けられれば、紅白戦で藤浪と対戦するチャンスも生まれる。「とにかく振り負けないようにしたい」。50メートル5秒75の俊足が最大の売りだが、バットでもアピールして目標の開幕1軍を狙う。【山川智之】

 ◆島田海吏(しまだ・かいり)1996年(平8)2月6日、熊本県生まれ。野球は宇土東小4年から始め、鶴城中(軟式野球部)を経て九州学院。1年秋からレギュラーとなり、2年春に甲子園出場(2回戦敗退)。上武大では2年春から正中堅手で5度の全国大会出場。3年春のリーグ戦では首位打者。ベストナイン2回。3年夏と4年夏は大学日本代表に選出され、今夏はユニバーシアードで連覇に貢献した。175センチ、72キロ。右投げ左打ち。