プロ野球12球団合同トライアウトが15日、マツダスタジアムで行われ、投手26人、野手25人の計51人が参加した。カウント1-1から投手が打者4人ずつに投げるシート打撃形式で行われ、ソフトバンクを戦力外となった大隣憲司投手(32)は1安打2奪三振の投球を見せるなど選手たちは12球団の編成担当ら関係者や約5000人のファンの前で精いっぱいアピールした。

 ソフトバンクを戦力外となった大隣は、最速141キロのストレートなどで連続見逃し三振に切るなど打者4人に1安打2奪三振。「自分らしい投球はできたと思うし、100%の力は出せたと思う。今できるアピールはできました」と納得の表情を見せた。

 06年に近大から希望枠で入団した左腕は、08年11勝、12年12勝など通算52勝(48敗)をマーク。だが13年6月に国指定の難病・黄色靱帯(じんたい)骨化症の手術を受け、その後4年間は計9勝。今季登板も1試合に終わっていた。

 戦力外通告を受けた時は「自分の中で引退という2文字は出てこなかった」と話す。「自信はあるし、どこかでチャンスをもらえれば準備はできている。家族に1年でも長く野球をするところを見せたい」と言い切った。人事は尽くした。あとは吉報を待つ。