充電完了! 広島緒方孝市監督(48)やナインが7日、優勝旅行先のハワイから広島空港着の航空機で帰国した。日本へ向かうホノルル空港で、指揮官は新たな戦いの幕開けを宣言。開幕投手は横一線で白紙とし、春季キャンプでのアピール合戦を期待した。オフからオンに切り替え、緒方カープが3連覇を目指す。

 日本行きの飛行機を待つ緒方監督の顔は、バカンスモードから切り替わっていた。心身ともに充電が完了した選手たちも、自主トレモードに切り替えようとしていた。チーム内の争いが再び始まる。緒方監督は来季の開幕投手については明言せず、競争を強調した。

 「全員に期待している。実績だけで決めようとは思っていない。チームの方針は競争。キャンプから結果だけではなく、内容もアピールした中で最終的に決める。明言はしない」

 今年までジョンソンが2年連続で務めた。だが、ほかに開幕投手を経験した投手はいない。指揮官は意欲を示す野村だけでなく、薮田や岡田らのアピールを求める。「今年経験を積んだ薮田と岡田が3番手以降としてしっかりやってもらうだけでなく、2番手、1番手になるような成長を見せてくれれば」。高いレベルでの競争が、先発陣の全体の底上げにつながる。

 就任1年目の15年は、春季キャンプ初日に前田(ドジャース)の開幕投手を明言した。だが翌年からは明言せず、キャンプでの競争をあおった。「実績だけではなく、常に競争。頑張ってきたポジションをしっかり勝ち取る、そういう考えは選手に伝わっていると思う」。選手個々の意識の変化に期待する。

 開幕投手だけでなく、若手にとっても、オフの取り組みが来季の出来を左右する。今春は戸田が調整遅れで春季キャンプ序盤に降格となり、シーズンも振るわなかった。「(1次キャンプの)日南での期間がまずは勝負の場。ここから沖縄に同行できなければ、大きくチャンスが失われる。そういうところを特に若い選手は受け取って欲しい」。バカンスからサバイバルへ。オフからオンに切り替え、球団初の3連覇に挑む戦いが幕を開ける。【前原淳】