阪神が今オフに、甲子園球場のベンチ改修に着手することが9日、分かった。最前列で立って試合を見られるように、フェンスを設置。ZOZOマリンやマツダスタジアムなど、最近増えているメジャースタイルを導入する予定だ。球団関係者は「サインが見にくいという要望があった。オフの間に改修しないと、意味がない」と言う。後部には従来通り、ベンチを2列置く。

 改修の主目的はサインの伝達を今まで以上にスムーズに行うためだが、試合に好影響を与える可能性がある。立つことで、試合に前のめりになっているように見える。ベンチに座って戦況を見るよりも一体感が生まれやすい。来季のスローガンである「執念」にマッチしたベンチ改修といえる。またベンチ奥に設置している空調を増強し、より強い冷風が流れるようにする。阪神だけでなく、暑さの厳しい環境で行う高校野球対策の一環だ。

 甲子園球場のベンチは、過去に「ダメ出し」を食らったことがある。球場リニューアルした08年3月のお披露目で、当時の岡田監督や赤星選手会長が転落の危険性や天井が低いことなど複数箇所の不備を指摘。すぐに再工事した経緯があった。今回はオフの間に改修を済ませ、18年シーズンには間に合う見通しだ。