阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(22=仙台大)が、熱狂的なファンのヤジも歓迎した。17日、仙台市内での「阪神タイガース入団を祝う会」(仙台大野球部OB会主催)に出席。同大学の朴沢理事長から「叱咤(しった)激励の意味を込めてボロクソ言われるぞ」と祝辞を贈られたが、馬場は「僕は言われたほうが良い。言われるうちが花。気にかけていただいているということ。悪いのは自分なので、ゲキや応援と思って頑張れる」と言い切った。

 八巻OB会長からも「大投手が牙をむいたような、すごい姿を見せてほしい。実は隠れ阪神ファン」と明かされ、巨人に立ち向かった村山、江夏の名前を挙げて期待を受けた。「今の自分があるのは、この4年間があってこそ。実力のない自分を実戦で使って、育てていただいた」と感謝。サインボールや色紙を、両親や関係者にプレゼントし、気持ちを伝えた。

 来年1月には初の大阪生活が始まる。「正月はあいさつ回りだったり、仲間とも思い出もつくりたい」。生まれ育った宮城での生活も、プロとしての体づくりと並行してラストスパート。同級生3人で仕上げている「軟投派と本格派の違い」をテーマにした卒業論文も、プロでの理想型を高めている。

 宮城名物のせり鍋を食し、「厳しいこともあると思いますが、培ってきたものをプロの舞台で披露したい。10年、その先にも続くような活躍をするために、しっかり頑張っていきたい」。雪のちらつく仙台で、18番を背負う“エース”となる自覚も芽生えている。【鎌田直秀】