闘将イズムで元気出していこう! 阪神金本知憲監督(49)が8日、甲子園の室内練習場で始まった新人合同自主トレに参加した7選手に、元気の良さを求めた。緊張からかおとなしかった面々に「元気がないなあ」と指摘した。練習後にはドラフト4位島田海吏外野手(21=上武大)が「声出しキャプテン」に指名され、今日9日から鳴尾浜で行われる新人合同自主トレでは朝の声出し練習も行われる模様。練習から明るく元気に-、気持ちを前面に出して戦った「星野イズム」を継承していく。

 練習を見守った金本監督が伊藤トレーニングコーチにつぶやいた。「元気がないなあ」。新人合同自主トレ初日。指揮官が抱いた率直な感想だ。報道陣に向けても「(初日は)遠慮とかあるでしょうけど、おとなしめの印象を確かに受けましたね」とコメント。2時間の練習を終えると、たまらず伊藤コーチがルーキー勢に声を掛けた。

 「声出しキャプテンは誰がやるの?」

 すると、新人最年長の谷川が「島田です!」と即座に指名。同コーチは「よし、声出しキャプテンは島田だな。明日の朝は好きなタレントから言わせようかな」と今日から鳴尾浜に場所を移す合同自主トレに朝の声出しをメニューに組み込むことも提案した。選ばれた島田も「(明日から)元気を出しながらアピールに努めていきたい。(元気は)他の選手に負けないよう頑張ります」。俊足を武器とするドラフト4位が、先頭で新人を引っ張ることになった。

 これまで金本監督は、折にふれて声の必要性を口にしてきた。今オフにも広島ベンチの元気の良さに言及して、「そういうチームを作りたい」と話している。活気にあふれ闘志を前面に出した戦い方は金本監督だけでなく、4日に急逝した星野元監督が何より欲したところでもある。声を張り上げ、元気よく戦うことは「星野イズム」の継承ともいえる。

 練習開始前、金本監督は7選手を前にして、訓示した。「ドラフト1位であろうが、育成で入団した選手であろうが、力がある者を使っていく。そこで何の分け隔てなく、使っていくから、チャンスをやるから。焦らないように。しっかり自分の足元を見つめて頑張ってくれ」。練習前に指揮官からの熱いメッセージ。7選手の背筋が伸びた。

 期待に応えるべく、「声出しキャプテン」に任命された島田は50メートル5秒75と自慢の脚力で勝負する。この日もダッシュでアピール。金本監督は「野手2人、足が速い選手をとった。いまのチームの戦力的に足を使う戦術ができなかった。代走からでもいいと思います」と台頭を心待ちにした。ドラフト3位の熊谷とともに「走り屋」候補として期待される。金本監督、星野元監督のイズムを受け継いだ新人たちが、今日からはつらつとグラウンドを駆け回る。【真柴健】