「稲葉2世」が、稲葉ジャパン入りに前進だ。オーストラリア代表と対戦する「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」(3月3日・ナゴヤドーム、同4日・京セラドーム大阪)の日本代表に、ソフトバンク上林誠知外野手(22)の初選出が濃厚になったことが16日、分かった。

 12球団のキャンプ視察を終えた稲葉監督はこの日、阪神-楽天の練習試合をチェック。初のフル代表招集に向けて「(キャンプを)一回りしてイメージがついてきた。20年に向けた第1歩。いろんな選手を入れるが、勝利にこだわって今後の可能性を含めて見ていきたい」と言った。

 打撃フォームが似ていることから「稲葉2世」と称される上林は、U24世代で臨んだ昨年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップに出場。初戦の韓国戦ではタイブレークの延長10回に同点3ランを放った。稲葉監督からは「東京オリンピック(五輪)に向けても考えている選手」と期待され、初のフル代表“昇格”のチャンスをつかんだ。侍ジャパンの外野陣はDeNA筒香、ソフトバンク柳田ら実力者がそろう中で、選出されればフレッシュな存在になりそうだ。

 内野陣では西武浅村の13年11月以来となる日本代表復帰が濃厚。当時はアマチュアとの混成チームで、プロだけのトップチームでは初選出になる。昨季は19本塁打、99打点を挙げた球界を代表する内野手。本職の二塁に加え、一塁で出場することも可能で、攻撃のオプションは広がる。代表常連組にフレッシュなメンバーを加えて、東京五輪に向けたスタートを切ることになりそうだ。

 ◆上林誠知(うえばやし・せいじ)1995年(平7)8月1日、さいたま市生まれ。仙台育英から13年ドラフト4位でソフトバンク入団。17年にレギュラーに定着し13本塁打。通算163試合、15本塁打、58打点、打率2割6分4厘。今季年俸3500万円(推定)。184センチ、85キロ。右投げ左打ち。