内に秘めた闘志に灯をともした。3年目の巨人中川皓太投手(24)がオープン戦初戦のDeNA戦に先発し、5回2安打無失点と好投した。「今日がラストチャンスだと思って投げた。0点で抑えられたことは自信になった」と昨季13勝の田口に次ぐ、左腕の先発ローテ入りへ大きく前進した。

 初回、2年前の1軍初登板で本塁打を打たれた筒香と対戦した。直球2球で追い込むと、最後は膝の高さから沈む外寄りのチェンジアップで空振り三振に切ってとった。「今までは左打者には抜けるかもしれないと怖がっていた。今後につながる1球でした」。強打者へ気後れすることなく腕を振り、恐怖心を克服した。

 自信は量で深めた。17日の練習試合中日戦で変化球の制球に苦しみ、3回2失点。翌日、ブルペンで189球の“反省練習”を行った。「たくさん投げて覚えたことを出せた」とスライダーでカウントを稼ぎ、優位に投球を進めた。斎藤投手総合コーチも「0点で抑えたんだから自信を持っていい」と成長に太鼓判を押した。この日が24歳の誕生日。自他ともに認める優しい性格の左腕は「いいスタートが切れました」と、自身でつかんだバースデープレゼントを喜んだ。【桑原幹久】