「意味のある凡打」をテーマに掲げるヤクルトが、コツコツ点数を重ねて競り勝った。同点で迎えた8回1死一、三塁から、広岡のセーフティースクイズで決勝点をもぎ取った。昨季は96敗を喫して最下位に沈み、オープン戦とはいえ勝利にこだわる姿勢は必須。小川監督は「やるからには勝ちを意識してやる。対外試合が始まる前に選手全員に伝えた」と言った。

 同点の1点も「意味のある凡打」で奪った。開幕投手のブキャナンが逆転満塁本塁打を浴びた直後の6回、安打、盗塁でつくった無死二塁から、川端の一塁ゴロで走者を三塁に進め、広岡がバットを折りながら、遊ゴロで同点に追い付いた。「今年のチーム方針として『意味のある凡打』を課題にやってます。三塁ランナーの足や、内野の守備隊形を見ながら」と意識する。1死三塁から前進守備を敷かれた中で、泥くさく1点を奪い「結果的に点になって良かった」と言った。

 4回は日本ハムの推定年俸2億円右腕、新外国人マルティネス相手に粘り、38球を投げさせて4点を奪った。石井打撃コーチは「1つ1つ、意識を持って打席に入ることが大事。その積み重ね」と言う。凡打でも打席の内容を突き詰める。試合後はベテラン選手以外、神宮で特打を行って引き揚げた。【前田祐輔】