本番モードになっても、猛虎打線に火が付かない…。阪神が23日、オープン戦を締めくくるオリックス3連戦(京セラドーム大阪)の初戦で逆転負けを喫した。1、2番に入った糸井、糸原の連打で計6球で先制したが、後が続かない。スコアボードに0を並べ、18日中日戦に続く2試合連続3安打負けだ。金本知憲監督(49)は「そろそろ、本当、あと2試合だから、実戦の球を打てるのも…。きっちり、何とか、結果としても出してほしい」と打線の復調を切望した。

 開幕まで残り1週間となっても、不安が解消されない。本番前の3番勝負。その初戦のプレーボール直後に糸井、糸原の連打で幸先よく先制点を奪った。17日中日戦の1回以来、18イニングぶりの得点だ。一気にはずみをつけたいところだが、2回以降はオリックス西に勢いをそがれ、再び「0」を並べる。終わってみれば「スミ1」で完敗。オープン戦最下位を「関係ない」と断じる金本監督も表情は晴れず、眠れる打線に注文をつけた。

 「打つほうはちょっと、しばらく点を取れていないのかな。そろそろ、本当、あと2試合だから、実戦の球を打てるのも…。きっちり、何とか、結果としても出してほしいし」

 歯切れが悪いのも、無理はない。主力が本格参戦した17、18日は中日小笠原、ジーを攻略できず。この日はオリックス開幕投手の西に惑わされた。ストライクゾーンを幅広く用いてシュート系やスライダー、チェンジアップなどを駆使。1回2死二塁で大山が内角高め速球に詰まらされて遊飛に終わり、6回も2死二塁で福留がスライダーをとらえきれず中飛だった。

 片岡ヘッド兼打撃コーチも「すごく丁寧に両コーナーにね。審判の(ジャッジする)ゾーンも広く広くしていった。やられ方がよくない」と嘆くしかない。まだオープン戦とはいえ、打線が湿ったままでは心もとない。18日中日戦に続いて3安打負け。4番ロサリオは、この日も変化球主体の攻めに遭って2打数無安打で「しっかりと、ゆっくりと準備する時間はないので、あと2試合で感覚を合わせていくだけ」。打率は1割4分3厘まで落ち込み、復調の糸口を探っていくしかない。7番に入った鳥谷も打率4分5厘にとどまっており、試行錯誤が続く。

 ナインは2月の沖縄・宜野座キャンプから2カ月近く、猛練習に耐えてきた。20日DeNA戦、21日ロッテ戦が雨天中止になり、肉体面の休養はできたが、上がり目を示せなかった。福留と糸井が今季初めてそろってフル出場を果たし、キャストはそろった。片岡コーチは言う。「勢いづく攻撃を、あと2試合のうち、何イニングかやって、シーズンに入っていきたい」。3連敗を吹き飛ばす仕上がりを見せ、30日の開幕巨人戦に向かいたい。【酒井俊作】