最速151キロ右腕の東洋大・上茶谷(かみちゃたに)大河投手(4年=京都学園)が、今秋ドラフト上位候補に浮上した。12球団のスカウトが視察する中、中大戦でリーグ戦初先発し、初勝利を初完封でマーク。自己最速タイの151キロをマークする16三振の奪三振ショーで、杉本泰彦新監督(58)に初勝利を贈った。

 衝撃的な先発デビューに、全12球団のスカウト陣が色めき立った。東洋大・上茶谷が、初先発初勝利を完封で達成。リーグ記録にあと2に迫る16三振で、今季から指揮を執る杉本監督に初勝利をプレゼントした。「全部の力が抜けた感じです」と苦笑したが、9回まで球威は衰えなかった。

 ライバルから教わった新球が、威力を発揮した。今年に入って、ドラフト上位候補の甲斐野央(ひろし)投手(4年=東洋大姫路)からスプリットを習得。当初は落差がなく「ツーシームです」とごまかしたが、この日は「よく落ちたので、今日はスプリットと言いたいです」と笑った。

 甲斐野、梅津晃大投手(4年=仙台育英)を含めた「150キロトリオ」の視察も兼ね、60人以上のスカウトが集結した。西武渡辺SDは「上位候補になる」と明言。楽天長島スカウト部長は「即戦力。オリックス西のような肘の使い方」と評価した。上茶谷は「相乗効果で頑張りたいです」と意気込んだ。【久保賢吾】