ロッテが本拠地ZOZOマリンの風を味方につけて首位西武に連勝だ! 2点を追う1回裏、6番左翼のドラフト4位菅野剛士外野手(24)が風にも負けずに右越えの逆転適時三塁打。投げては先発の二木康太投手(22)が強風の中でも安定感のあるクイック投法で6回2/3を8安打2失点に抑え今季初勝利を挙げた。今日12日の西武戦にはエース涌井を立て、首位相手にカード3連勝を狙う。

 最大風速18メートルの強風にも負けなかった。2点を先制された1回裏2死満塁、菅野は「先輩たちがつないでくれた。前の試合でチャンスに打てなかったので絶対打ちたい」と、カウント1-1からの148キロ内角速球をフルスイングした。

 右翼フェンスに直撃する走者一掃の逆転適時3点三塁打。風は左翼上空から本塁方向へ吹く“向かい風”。それがバックネットにはね返り、グラウンド表面では逆に“追い風”になるマリン独特の流れだった。右翼上空ではそれが複雑に絡み合い、菅野自身も「打球がちょっと戻されたのかな? どうなんですかね。何とも言えない」と把握できなかったが「とりあえず(右翼手を)越えて良かった」と表情を緩めた。

 ヒーローは菅野だけではない。攻撃陣は風の中で粘りの攻めを見せた。井口監督が評価したのは相手投手陣から奪った8四球。「相手の投手も風で制球が定まらない中、8四球。ヒットを合わせたら16個ですからね」と風を利用して出塁し続けた選手をたたえた。

 相手が風に苦しむ中、投手陣もしっかり対応した。先発二木はもともとセットポジションで投げるが、初回に失点すると「風でふらつくから」と足を上げるのをやめ、クイック投法に変更。さらに「向かい風でフォークがまったく落ちず、伸びるようになっていたので」と直球、スライダー、カーブの組み立てで相手打線を封じた。

 試合後のお立ち台で「電車が止まる前に気を付けて帰ってください!」と二木が叫ぶとスタンドのファンは大興奮。西武相手の連勝でチームは単独2位に。ベンチの雰囲気は最高だ。【千葉修宏】