今年はお得意様とは呼ばせない。1点リードの1回1死一塁。巨人岡本和真内野手(21)がコイの勢いを断ち切った。広島野村の132キロスライダーを思い切りぶち上げた。打球は優雅に弧を描き、左翼へスタンドイン。前夜から5番に座り、クリーンアップで初の3号2ランに「流れに乗ってしっかり打たせてもらった。初回に、良かったと思います」とうなずいた。
天敵をたたきのめした。昨季は広島に7勝18敗と負け越し。1月のスタッフミーティングでは広島攻略をV奪還の最重要課題と位置づけた。総得点は200少なく、盗塁数はダブルスコアで負ける56。数字を意識し、ライバル意識を掲げてきた。この日は、3本塁打などで今季2度目の2ケタ得点。昨季は防御率1・69、本塁打3本に抑え込まれた野村を攻略した。高橋監督は「打線が菅野のペースをつくらせてあげた」と一気の攻撃を称賛した。
タフな空気が漂う。岡本は5回に右手に死球を受け、直後の6回から大事を取って交代。試合後、カメラマンが帰路につく岡本にレンズを向ける。近くにいた井端内野守備走塁コーチが「痛がりと映りたくない」と冗談めかして距離を置き、岡本は苦笑い。「余裕っす。(6回以降も)行くって言ったんですけどね」と軽傷を強調。連敗も負傷の心配も吹き飛ばすやりとりで、笑いを誘った。
連敗中は「ゲン担ぎもしないし、(打順が変わっても)役割も変わらない」とどっしりと構えた若き5番。いざ、上位浮上へ。一振りでチームのムードを変える。【島根純】



