亀の一振りが新潟でさく裂した。1点を追う6回2死一塁。ご当地選手のDeNA飯塚から左腕エスコバーにスイッチした代わりばなだった。巨人亀井がカウント1-0から高めの直球を振り抜く。2戦連発となる2号逆転2ランが右翼席に飛び込んだ。

 「和真(岡本)がヒットで出たので、つないで二、三塁のチャンスがつくれればと考えた。結果的にホームランになった」。第1打席は2回無死二塁で右飛に終わり、進塁打も打てなかった。自責の念もあった。山口俊に続くヒーローも、柿の種のようにピリッと地に足をつけた言葉だった。

 新潟、山口俊のキーワードに亀井が絡む。15年5月9日。DeNAに在籍していた山口俊にゼロ行進を続けられていたが、9回に亀井の適時打で完封を阻止。延長の末に勝利した。「そうだったんですよね」。この日は自らのバットで右腕に勝利をもたらした。「毎日いいところで打ちたいと思っている。どの球場であってもですね」。思いは同じだ。

 新潟に亀田製菓あり、巨人に亀井あり。亀のバットでDeNAの快進撃を止め、ハッピーターンで新潟の地を後にした。【広重竜太郎】