オリックス西勇輝投手(27)が8回3安打無失点と好投し、今季4試合目で初勝利を挙げた。2回2死一、二塁、3回2死一、三塁とピンチを背負ったが、一塁伏見の好守にも支えられ、昨年8月6日日本ハム戦以来の勝利。同8月22日日本ハム戦での左手骨折を乗り越えての白星に、「毎試合ラストゲームと思って投げているので、集中力は途切れませんでした」と胸を張った。

 4回に3点目の援護をもらい、西はギアを上げた。140キロ台前半だった直球の球速は148キロまで上がり、チェンジアップも交えて空振りを奪った。「3回までは落とし気味。その緩急もよかったんだと思う」。4回先頭から8回2死まで完全投球。昨年は12球団一番乗りで完封勝利を挙げ今年もリーグ完封1号まであと1イニングとなったが8回107球で増井と交代した。

 西は「監督、コーチが決めたこと」と言い、「素晴らしい投球だった」とねぎらった福良監督も「(交代は)そこはいろいろあるんで」と多くを語らず。チーム、西の命運を託された守護神は、今江に被弾しながらもリードを守り切った。

 プロ10年目。相手の研究を超える投球を見いだそうと、自分を追い込んだ。巨人菅野らとオフの自主トレを行い、野球観を語り合う中で「自分のボールを信じる」と原点回帰した。プロ通算64勝を支えた西ならではのボールを信じ、258日ぶりの65勝目にたどり着いた。【堀まどか】