阪神がパナソニックの吉川峻平投手(23=関大)を、今秋のドラフト上位候補にリストアップしていることが分かった。26日に社会人野球の京都大会が開幕。阪神は最速148キロ、身長183センチの右腕に熱視線を送った。

 バックネット裏がスーツ姿の男たちで埋まった。吉川を見ようと巨人、楽天など11球団30人超のスカウトが集結。阪神は佐野統括スカウトら総勢5人で視察した。先発した吉川は本調子ではなく、初回に3四死球がからみ1死満塁のピンチを招く。それでもこの日最速147キロの直球を駆使して無失点で切り抜けると、7回2/3を4安打無失点8奪三振。「最初は目に見えて球が浮いて、最後まで修正しきれなかった」と反省しきりだったが、チームを2-0の完封勝利に導いた。

 武器は独特な軌道のシンカー。今季は「シンカーに頼りすぎない」ことをテーマに、カットボールなど他の球の精度を磨いてきた。阪神畑山チーフスカウトは「初回のピンチでも踏ん張れたのは経験を積んできたから。直球のキレが上がればもっとシンカーが生きる。2年目でここからどう見せてくれるか」と話した。

 阪神は今月9日に東洋大の上茶谷(かみちゃたに)大河投手(京都学園)を5人体制で視察。同大の甲斐野央(ひろし=東洋大姫路)、梅津晃大(ともに4年=仙台育英)と合わせて「東洋大150キロ右腕トリオ」をリストアップするなど、投手陣は継続的な補強ポイント。大阪出身の社会人投手に今後も注目する。