オリックスの高卒2年目・山本由伸投手(19)がプロ初セーブを記録した。9回に代役ストッパーで登場。4番山川ら西武の主軸に真っ向勝負を挑んだ。「(相手の)勢いに負けず、投げよう。受け身になることはない。新しい気持ち、新しい感覚ばかりで楽しかった」。2球目に最速154キロを計測。最後は148キロのカットボールで空振り三振。外崎を遊ゴロに抑え、メヒアのバットはフォークで空を切らせた。

 前日まで守護神増井が3連投。「休ませることはゲーム前から決めていた」。試合前練習で本人にこの日の休養を通達。代役に山本を起用することも即決した。「由伸ならいけるというのがあった。堂々としていた」。新人だった昨年は先発でプロ初勝利を記録。今季は開幕1週間前まで先発ローテーションに組み込むか悩んだほど。「秘蔵っ子」の快投で逃げ切った。

 昨年9月の日本ハム戦では大谷から空振り三振を奪い、「今年やった中で1番よかった」と称賛された。ウイニングボールを手に、「宝物です」とはにかむ。「この経験を生かしていくべきだと思う」。開幕3連敗の西武に今季初白星。阪急の復刻ユニホームを着用したオリックスに、新たな勇者が誕生した。【田口真一郎】

 ▼高卒2年目の山本が9回から登板し、プロ初セーブ。山本は19歳8カ月で、10代でセーブを記録したのは15年に33セーブを挙げた松井裕(楽天)以来。オリックスでは95年4月19日日本ハム戦で、平井が19歳11カ月で記録して以来23年ぶり。

 ◆山本由伸(やまもと・よしのぶ)1998年(平10)8月17日、岡山県生まれ。伊部小の伊部パワフルズでは捕手。東岡山ボーイズで二塁手として全国大会出場。都城では甲子園出場経験なし。16年ドラフト4位でオリックス入団。17年8月20日ロッテ戦でプロ初登板し、同31日のロッテ戦で初勝利。今季年俸800万円(推定)。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。