ええで! ええで! 勇者をたたえ、阪急ブレーブスの球団歌が球場に響いた。強いオリックスに、ファンは酔いしれた。

 首位西武のお株を奪う猛攻で5点差をはね返した。ヒーローは不振に苦しむ大砲ロメロだ。7回に西武平井のスライダーをライナーで左翼席に運んだ。「先頭打者だったので塁に出ることを考えた。ボールをつかまえられてよかったよ」。8戦ぶりとなる4号ソロは決勝アーチになった。

 2年連続で4月は苦しんだ。昨年は左膝を痛め、戦線を離脱。今季は打率2割前後と低空飛行が続く。それでも前向きな姿勢を失わなかった。「結果は出てなかったが、いい当たりが正面を突いたり、ツキがなかった。やるべきことをやれば、いつかはいい状態になる」。故障の反省を生かし、今年は全体練習前から入念に体を動かす。「ルーティンの一部だ。続けていかないと」。弾丸ライナーの1発を浮上のきっかけにする。

 反撃のノロシはマレーロが上げた。5点を追う4回に8号2ラン。こちらは7戦ぶりの本塁打だ。「打った瞬間、いってくれると思ったよ。何とかしたかったからね」。助っ人コンビが長打力を発揮すれば、西武と互角に渡り合える。

 近鉄の復刻ユニホームでソフトバンクに勝ち越した。そして福良監督が入団した85年から88年までの阪急ビジターモデルで2連勝。そんな話題にも、指揮官は「前回3連敗しているから」と西武へのリベンジしか頭にない。最後は守護神増井が3者連続三振で締め、今季初の3連勝。借金3の5位から、5月反攻への態勢を整えた。【田口真一郎】