白星を手にしても、西武多和田真三郎投手(25)は素直に喜ばなかった。「真っすぐは良かったですけど、変化球が多くなってしまった。もっと真っすぐで、どんどん攻めても良かったです」と悔いた。6回2死から連打を許し、今季最短となる5回2/3で降板。4失点は今季最多だ。それでも打線の援護があり、6勝目を挙げた。

 立ち上がりは素晴らしかった。押し出すように投げる独特のフォーム。打者に近い位置から放たれる最速148キロの直球が、スーと糸を引くように決まった。一方で、スライダー、フォークが外れ、球数が増えていった。リズムをつかめないまま、失点はいずれも2死からだった。辻監督も「ボールは良かったのに、大胆さがなくなった。(味方が)点を取っても、きちんと投げないと」と残念がる内容だった。

 勝って、反省できる。開幕から負けなし6連勝。チームの先輩菊池を抜いて、12球団でも単独トップに立った。6戦6勝は、53年川崎、09年岸に並ぶ球団タイ記録。もっとも、当の本人は「特に意識することはないです。今日の課題を直さないと。野手の方が打ってくれているので、楽に投げられます。とにかく、自分の仕事を出来るように」と、次戦へ切り替えた。【古川真弥】

 ▼多和田が開幕から6戦6勝。開幕から6戦6勝を記録したのは15年の大谷(日本ハム)と山中(ヤクルト)以来。西武では53年川崎、09年岸に次ぐ3人目で、球団記録に並んだ。