「台湾の大王」に注目!! 阪神が、5月中旬に渉外担当者を台湾プロ野球に派遣することが7日、分かった。来季の戦力整備を見据えた例年通りの視察だが台湾球界を席巻する王柏融外野手(24=ラミゴ)の動向も調査ポイントだ。

 今季の優勝に向け、精いっぱい戦う阪神は来年以降も抜かりなく見据える。王は日米球界が注視する長距離砲だ。鋭く柔らかいバットコントロールに定評があり、長打力も持つ。16年にブレークし、史上初の200安打&打率4割台を記録し、29本塁打を量産した。昨季も4割7厘など3冠王。今オフは海外移籍も視野に入れているとされ、日米での争奪戦も予想される。

 今年も高打率3割6分3厘で、45安打はリーグ最多だ。球団幹部も「行けば、見ることになります」と話し、くまなくプレーをチェックする。阪神は就任3年目の金本監督が、若手強化を最重要テーマとして取り組んできた。4月に国内FA権を取得したメッセンジャーが来季から日本選手扱いになり、外国人枠を有効活用できる利点もある。開幕後、球団はすでに韓国球界の視察を行った。投手と野手の両方で、幅広く情報収集を重ねていく方針だ。

 ◆王柏融(ワン・ボーロン)1993年9月9日、台湾・屏東県生まれ。中国文化大在学中の14年にU21W杯優勝に貢献。15年ドラフト1位でラミゴに入団し、同年デビュー。初のフルシーズンだった16年はリーグ初の200安打、歴代最高の打率4割1分4厘、29本塁打、105打点、24盗塁をマークし、MVPなど6冠。昨季は打率4割7厘、31本塁打、101打点で3冠王。昨年2月、侍ジャパンとの壮行試合で楽天則本から中堅越え本塁打。181センチ、90キロ。右投げ左打ち。