明大・森下暢仁投手(3年=大分商)が、9回1失点でリーグ戦初完投勝利を挙げ、勝ち点を奪った。最速151キロの直球、カットボール、チェンジアップなど変化球もさえ、5安打11奪三振。打撃でも先制の適時二塁打を放ち、投打の「二刀流」で勝利に貢献した。敗れた立大は優勝の可能性が消滅。優勝争いは慶大、明大の2校に絞られた。

 明大の背番号「11」が“二刀流”で躍動した。今季から伝統のエースナンバーを背負った森下暢は4回1死、3番江藤を迎え、ギアを上げた。この日最速の151キロをマークし、チェンジアップで空振り三振。4番藤野は151キロ直球で見逃し三振、5回先頭の5番飯迫も空を切らせ、クリーンアップ3者連続三振で流れを引き寄せた。

 仲間への思いを体現した。前日13日の立大2回戦は雨が降りしきる中、8-6で勝利。第1戦で黒星を喫し、リベンジに燃える森下暢は胸を熱くした。「みんながつないでくれた。絶対に勝ち点は落とせないと」。9回1失点のリーグ戦初完投で応え、好きな打撃では「奇跡的にいいところに飛んだ」と右翼線へ先制の適時二塁打を放った。

 巨人古城スカウトの目には、球界を代表する背番号「11」と重なった。「(左への)外からのカットボールはプロでも難しい球。カーブもあって、楽天の岸みたいですね。投げても、打っても素晴らしいし、来年が楽しみ」と絶賛。善波達也監督(55)も「11番がでかく見えた」と評価した。立大1回戦ではスカウトの計測で154キロをマーク。来年のドラフトの目玉になりそうだ。【久保賢吾】