倉敷から逆襲だ。阪神は今日22日、今年1月に亡くなった元監督の星野仙一氏の故郷、岡山・倉敷でヤクルト戦を迎える。闘将と呼ばれた星野監督がリーグ優勝に導いた03年には、倉敷で優勝マジックが点灯。それだけでも縁起がいいが、さらに先発予定のランディ・メッセンジャー投手(36)は、地方球場で通算7戦6勝と好相性を誇る。

 年に1度の倉敷での試合をこのタイミングで迎えるのは、天国の星野氏の温情かもしれない。前日の敗戦で借金は今季最多の3に膨らみ、2年ぶりの5位に転落。さらに20年ぶりの12試合連続1桁安打…。首位広島とは7差が開き、過去最大の逆転優勝だった1964年(昭39)の6・5差も超えた。でも、通算24勝14敗1引き分けと相性も抜群の倉敷なら、きっと流れも変わるはず。金本監督も「倉敷から切り替える? もちろん、もちろん」と前向き。闘将の血潮を感じて虎ナインも奮い立つはずだ。

 メッセンジャーも熱い。昨季も倉敷で先発し7回1失点で白星。「いい球場というイメージはある。でもどこの球場も18・44メートルは変わらない。自分の仕事をするだけだよ」と頼もしい。苦しいチーム状態には「長いシーズンだから、こういうこともある。自分を信じていれば、必ずいい方向に行く。みんなが自分を信じることだね」と熱い言葉をつないだ。広島大瀬良と並ぶリーグトップの6勝。エースが抑え、低調な打線も奮起する。倉敷の追い風を受け、悪いチーム状態を吹き飛ばす。星野さんに猛虎復活の白星を届けられれば、最高だ。【池本泰尚】

 ◆阪神と倉敷マスカットスタジアム 95年の開場以降、24勝14敗1分けで勝率6割3分2厘の好成績だ。初公式戦の95年5月16日ヤクルト戦では、8回グレンが決勝2ランを放ち白星。98年5月26日中日戦では、川尻哲郎がノーヒットノーランを達成した。ご当地出身の星野仙一監督に率いられた03年7月8日は、広島戦に勝ち、セ球団史上最速の76試合目でマジック49を点灯させた。勢いに乗った阪神はこの年、18年ぶりのリーグ優勝を飾った。また、今日22日に対戦するヤクルトにも、同球場で通算4勝1敗の好相性だ。