伏兵が狙い打ちでDeNAの危機を救った。4-4の9回1死一、二塁。代打佐野は初球のチェンジアップを振り抜いた。右翼線を破る人生初のサヨナラ打。「苦手な緩い球で来るかなと。割り切ってチェンジアップを狙いました。ライン際に飛んだので、入ってくれと思いました」とウオーターシャワーでびしょぬれの顔を拭った。

 成長を示した。開幕1軍も不振から4月末に登録抹消。2軍では「焦りから少しずつ崩れていた」というフォームを見直した。再昇格して迎えた交流戦で3本塁打と復調。この日は「得点圏打率がすごく低い(試合前時点で5分9厘)のでドキドキしながら打席に入りましたが、チャンスで変化球を待てるようになった」と手応えを口にした。

 ラミレス監督が「あそこで決めたい思いはすごくあった」という勝負手に応えた。負ければ首位広島とのゲーム差が2桁となる危険水域から4位浮上。日本一に輝いた98年の栄光のユニホーム着用4戦目で初勝利も決めた。2年目のヒーローは「ここから連勝出来るように頑張ります」と張り上げた。関東地方の梅雨明けとともにDeNAが連敗を3で止め、重苦しい空気を振り払った。【佐竹実】