2軍降格から復活した阪神大山悠輔内野手が、本拠地で輝きを取り戻す決勝打を放った。同点で迎えた8回2死一塁で迎えた第4打席。俊介が盗塁で二塁へ駒を進め、チャンスを広げた直後の5球目だ。中日祖父江が投じた外角低めの変化球を強打し、右方向へ。高々と上がった打球は、強風にあおられ、右翼を守る平田が目測を誤り、フェンス際に落ちた。2年目の若虎が、引き分けを挟み本拠地で6連敗していたチームを救った。

 「自分の持ち味というか、しっかり出そうと思いましたしとにかく後悔しないように、スイングしようと思ってました」

 今季は6番三塁で開幕スタメンをつかむも、出場54試合で打率2割4厘、2本塁打、15打点と本来の力を出せずに6月22日に2軍降格。ファーム8試合で打率4割、3本塁打と圧倒的な結果を残し、再びチャンスをもらった。しかし前日3日に昇格を果たすも、2四球を含み5打席で安打なし。6打席目でようやく出た安打が、一時4点差をひっくり返す逆転勝利を決める一打となった。

 「自分自身苦しかったですし、ファンの皆さんにもふがいないところばかり見せてたので、なんとか必死に食らいつきました」

 金本監督は「どんな影響があるか分からないですけど、メンタルとか気持ち的なモノをいい方に持っていかないと前に進めないと思う。どんどんプラス思考で考えてほしいですね」と今後に期待した。「強く振ることが持ち味」と話す大山がヒーローとなって甲子園で再び輝きを放った。