阪神がミスミス3日ぶりに首位から陥落した。
1点差逃げ切りが見えた8回無死二塁で、捕前バントの送球を受けた三塁佐藤輝明内野手(25)がまさかの落球。ピンチを広げた先発の村上頌樹投手(25)が1イニング3失点と崩れ、痛恨の逆転負けを喫した。岡田彰布監督(66)も「あれで終わりよ」とあきれ顔。打っては一時勝ち越しを呼ぶマルチ安打でヒーローになる勢いだったが、年に1度の豊橋は苦い夜になった。
◇ ◇ ◇
1つのミスが勝敗を変えた。終盤に逆転負けを喫した豊橋での試合後。岡田監督は強い口調で言い切った。「あれで終わりよ」。敗因として指摘したのは、8回の悪夢につながった佐藤輝の失策だった。
村上が粘投し1点リードで迎えた8回。先頭の中日岡林に二塁打を許した。ここで田中が犠打を試みた打球は捕手坂本の目の前に弾んだ。ラッキー、もらったと言わんばかりに坂本は素早く三塁へ送球。だが三塁カバーに入った佐藤輝がグラブからこぼし、白球はコロコロ。タイミングはアウトだっただけに、悔やまれるミスになった。1死一塁のはずが無死一、三塁とされ、村上が逆転されるの波にのみ込まれた。
「うまいことな、バント(処理)でいけたと思うたけどな」。指揮官はなかばあきれ気味に「キャッチボールやからな」と評した。佐藤輝にはオフから口酸っぱく守備強化を呼び掛け、春季キャンプ中も計515分も特守に取り組ませた。だがここまでリーグワーストタイの6失策で、ここ一番での痛いミスも目立つ。
「あんなプレーばっかり出るんやから。村上の時、いくつエラーしたんや」。佐藤輝は村上が先発した7試合中2試合で失策を犯し、どちらも黒星につながっている。基本中の基本を怠った今回は言うに及ばず。「普通のプレーやんか。もうどうこうの問題じゃないやろ、そんなのは」と一蹴した。
勝っていれば、佐藤輝も勝利の立役者だった。2試合ぶりに「5番三塁」でスタメン復帰したこの日は、4回に左前打を放ち、6回は中越え二塁打。今季初の2試合連続マルチ安打で好機を広げ、一時勝ち越しの2点を呼び込んだ。だが、守備で落とし穴が待っていた。佐藤輝は球際のプレーでの焦りを認めながら「あれは捕らないといけないと思うので、僕のミスです」と責任を背負い込んだ。
12日は一夜で首位に返り咲いたが、この日2位巨人が勝利したことで、再び首位の座を明け渡した。今日15日も負ければ3位に落ちる可能性がある。苦い教訓を胸に刻み、基本の1プレーを大切にしていく豊橋ナイトにしたい。【磯綾乃】
▽阪神馬場内野守備走塁コーチ(8回の佐藤輝の落球について)「難しいとかそういう問題じゃない。あそこは絶対アウトにしてあげないとダメ」



