6日午後6時からナゴヤドームで予定されていた、中日-ヤクルト12回戦が中止になった。ヤクルトの用具運搬トラックが豪雨の影響で広島からの移動中に足止め。名古屋到着のメドが立たず、午後3時45分に中止が発表された。用具車未着による中止は史上2度目。

 ヤクルトは前日5日の広島戦(マツダスタジアム)が中止になり、チームは同日のうちに名古屋入り。用具車は午後7時に広島を出発し、深夜2時に到着予定だった。午前9時ごろに中日側に「間に合わない可能性」の連絡が入った際には京都付近にいた。

 その後、栗東インターから高速道路に乗るところで渋滞にはまり動けなくなった。中日は1時間遅れの午後7時開始も想定していたが、状況を見て開門前に中止を決めた。ドーム開催で天気予報も問題なかったため、中止は想定していなかった。食堂や売店は通常通り準備せざるを得ず、食材の扱いに苦慮。普段はあり得ない「ナゴヤドームのチケット」払い戻しの対応にも追われた。

 昼ごろにドーム入りした選手には、中止や遅延の可能性が伝えられた。練習はやや遅い進行で行われた。選手会長の福田は「仕方ないですね。でもやりたかった」。先発に向けて調整していた吉見は「何もないですよ」とだけ話し、森監督は「読めないな」と複雑な表情。豪雨の影響が思わぬところに波及した。【柏原誠】

 ◆ドーム球場の中止 熊本地震の影響で中止となったヤフオクドームの16年4月16日ソフトバンク-楽天戦以来で、公式戦では両リーグ26度目(他に日本シリーズ1試合、CS1試合)。26試合のうち6試合は04年9月18、19日に選手会のストライキで中止となっている。ナゴヤドームの中止は、台風接近で交通機関の乱れを配慮した97年7月26日中日-巨人戦、記録的豪雨で球場が浸水した00年9月12日中日-広島戦、ストライキで中止の04年9月18、19日中日-巨人戦に次いで5度目。

 ◆道具届かず中止 後楽園球場で予定されていた79年7月13日、日本ハム-南海戦がある。東名高速日本坂トンネル火災の余波で道路が渋滞。前日に日生球場で試合を行っていた南海の道具が大阪から届かずに中止となった。