中日松坂大輔投手(37)が、来季も中日のユニホームを着ることが15日、濃厚になった。「もちろんウチでやってもらいます」と球団首脳が明らかにした。苦戦するチームの中で3勝を挙げ、戦力として活躍するだけでなく、主催試合の観客動員数増に貢献。ファンサービス、グッズ販売や、若手の手本になるなど“松坂効果”は抜群だ。今季推定年俸1500万円から1億円程度の大幅増の可能性も出てきた。

 松坂が来季もドラゴンズブルーのユニホームを着ることになりそうだ。来季の契約について球団首脳は「もちろんウチでやってもらいます」と明言した。今季前半で7試合に先発し、3勝3敗、防御率2・41の数字を残した。15年から在籍したソフトバンクでは右肩の故障などから1試合しか登板できず退団。限界説がささやかれる中、今年1月に中日にテスト入団した。開幕すると、周囲の不安を一蹴する活躍を見せた。「投げられるだけでもいいと思っていた。前半戦で3勝は上出来だ」と同首脳は続けた。

 球団が評価したのは試合での数字だけではない。「ファンサービスもすごくやってくれる。サインをたくさんしたり、それがファン増につながっている。若い選手にも練習やケアの方法を教えたりしてくれている」とさまざまな場面での“松坂効果”を認める。前半戦の観客動員数の1試合平均は昨年同期比で10・8%増の2万9487人。セの他5球団が2%前後の増減を示す中、ダントツの動員増になった。キャンプ中にはサイン会を実施。メジャー流の対応に幹部も感心した。グッズ販売でもレプリカユニホーム、タオルなどが爆発的人気。また、練習法、調整法などは若手選手の手本にもなっている。

 球団は“松坂効果”を来季待遇に反映させる見込みだ。「(来季年俸は)考える。(成績以外も)年俸には加味する」(同首脳)。今季1500万円から大台1億円前後への大幅増の可能性もある。松坂は「何とか1年間やって、チームが苦しいときに中5、6日で回れるように準備をしたい」と意気込む。復帰登板は25、26日のDeNA戦(ナゴヤドーム)が濃厚。その先も、来季も、人気者の怪物の躍動する姿が見られそうだ。