ソフトバンクが8本のアーチを浴びせかけるなど今季チーム最多の21安打を放って大勝した。

 2点を先制された1回裏。1番上林の13号ソロで反撃開始。この回、松田の15号2ラン、甲斐の5号2ランなども飛び出し6点を挙げあっさり逆転に成功した。「打ったのはフォーク。初回に先制されたので、何とか出塁してつなげたかった。(体勢が)崩れたけどよく飛んでくれました」。先頭打者アーチを放った上林は右手1本で運んだ技ありの1発を笑顔で振り返った。

 2回以降もホークス打線は手を緩めない。中村晃の8号ソロ、柳田が5回、7回に連続本塁打すれば、内川も5回に右翼テラス席へ7号ソロ…。とどめは7回に8年目の牧原がプロ初本塁打を右翼席に運んだ。「何が起きたかわからなかった。審判の手が回っていたので本塁打と思った」。ヒーローのお立ち台に上がった牧原はメモリアルの1発に苦笑いを浮かべた。

 球宴前の日本ハム2連戦は計22失点で連敗。後半戦スタートに向け「楽しんで行こう」と、チームの緊張感をほぐした工藤監督も試合後は笑みがはじけた。「びっくりするくらいみんなノビノビとやってくれて。(球宴中に)みんないい調整をしてくれた」と大勝にホッとした様子。ホークスの1試合8本塁打は94年以来、実に24年ぶりだった。首位西武とは5・5ゲーム差。まだまだ獅子のシッポは遠いが、逆襲に向け最高の後半戦スタートとなった。