「自虐左腕」が、待望の勝ち星を手にした。楽天先発辛島が、5月25日ソフトバンク戦以来の4勝目をマークした。

 仙台では、16年9月11日の日本ハム戦以来1年11カ月ぶり。報道陣に囲まれると「いや~、やらかしました。今日はまずいと思った。初回に5点は、いかれると思った。ブルペンも良くなかったし、これはまずいと。だから、とにかく腕を振ることだけを考えていきました」と苦笑いを浮かべた。

 と、言うのも無理はなかった。初回。先頭から3連打を食らい、先制点を献上した。日頃から控えめで、何かと「無理です」と言う辛島の脳裏には「今日も6回は投げられないんだろうな」と、よぎった。最後に6回以上を投げきったのは6月1日ヤクルト戦。だが、バッテリーを組んだ嶋が盗塁を刺し、何とか1失点でしのぐと、2回以降はチェンジアップを主軸に寄せ付けず、6回1失点で仕事を果たした。

 チームが前日に後半戦初の連敗を喫する中、辛島にとっても、大きな1勝となった。平石監督代行も「なかなか、いいピッチングをしていても勝てない中、良かった」とホッとした表情を浮かべた。次は、自画自賛の投球内容で、満面の笑みを見せる。【栗田尚樹】