完敗で、惨敗だった。日本ハムはソフトバンク19回戦(ヤフオクドーム)で、投手陣が大炎上。今季ワーストに並ぶ11失点で大敗した。先発の高梨裕稔投手(27)が3回までに3被弾で6失点すると、救援した2人目の加藤貴之投手(26)も2回で3被弾5失点。1回に柳田、3回は上林と中村晃に1発を浴びた高梨は「相手どうこうより、自分が攻めきれていない」。無念の表情でマウンドを後にした。

 もともと、飛球で打ち取るのを持ち味とする「フライピッチャー」。自然と被本塁打は多くなるが、12球団ワーストの21被弾のうち、ほぼ半分にあたる10本が走者を置いた場面。セットポジションで投げる直球、カーブの投球フォームを見直してきたつもりが、中村晃にはそのカーブを捉えられ「ずっと同じやられ方をしている。成長できていない」。思いばかりが空回りしている。

 吉井投手コーチは「走者がいる時に打たれないように気をつけるしかない。気持ちだけじゃなく、技術的にもうまくなって、走者がいても抑えられるという圧倒的な自信を身に付けるしかない」と、活を入れる。高梨は「もっと強気で、自分の強みを出していけるよう、1回、頭を整理してやっていかないといけない」と、巻き返しを誓った。

 加藤を合わせ計6発を喰らった。8月に入って4勝1分け5敗。3カード続けて勝ち越しのないチームを救うのは、誰か。栗山監督は「(高梨の)状態どうこうじゃない。こういう試合を生かすしかない」。逆転優勝へ正念場の夏。救世主の出現が、待ち遠しい。【中島宙恵】

 ▼日本ハムの今季被弾 高梨が12球団ワーストの21本塁打を浴びている一方で、チーム被弾数「83」はリーグ最少。ソフトバンクの120本がもっとも多く、西武105本、楽天96本、ロッテとオリックスが92本と続いている。