出た「2番近本」プラン!! 阪神矢野燿大新監督(49)が26日、西宮市内の大阪ガスを訪れ、前日25日のドラフト会議で1位指名した近本光司外野手(23=関学大)に指名あいさつを行った。矢野監督は就任後初めて理想の打線構想を披露した。

「自分の理想だけど2番は左がいい。足が速いヤツがいい。俺の理想は。(近本は)そういう部分にも合う気はする。自分が捕手をやったときに2番でそういうヤツが来たら『うわ、すごい攻めにくいな』というのがあったから。そういう選手になってくれたら」

主軸の前を打つ2番は俊足の左打ちを理想とする腹案を温める。「2番近本」もその1つ。確かな肌感覚がある。2軍監督だった9月15日に練習試合で大阪ガスと対戦。目の前で2安打を放った。「打った後の足、盗塁もそのときにしたと思います。それほど体は大きくないけど、しっかりと振り切れる打撃もしていた」。7月の都市対抗ではMVPの橋戸賞に輝いた。力強い打撃のほか俊足ぶりに早くも太鼓判を押した。

新監督にとって、理想像がある。OBの赤星憲広氏(42=野球評論家)だ。ともに03年リーグ優勝に導いた中堅2番は打率3割1分2厘、驚異の61盗塁をマーク。「俺らの時、赤星1人だけでも相手への重圧であったり、阪神ファンの喜び方がすごかった。(近本も)大きな自分の武器を持っている」と評し、5年連続盗塁王になぞらえた。

近本にも中堅のポジション争いを期待する。「他のヤツはたまらんやろな。高山も江越も中谷も板山も(伊藤)隼太も島田も。外野手はいま、いっぱいおる。本当にチーム全体としてグッとまた、上がる可能性を持っていると思う。そういう相乗効果も期待したい」と続けた。矢野阪神の初代ドラ1が一躍、2番候補に浮上した。【酒井俊作】