25日のプロ野球ドラフト会議で、楽天から育成2位で指名された山岸ロジスターズの則本佳樹投手(24)が26日、勤務先のある静岡県島田市内で会見を開き、心境を語った。同球団のエースである兄昂大(27)から激励を受けたことを明かし、プロに臨む決意を固めた。

緊張した面持ちで会見場に現れた則本は、開口一番「指名されて驚きましたが、うれしいです」と言った。指名後に兄昂大からメールで「これから大変になると思うけど、くさらずに頑張れよ」とエールを送られたことを明かし、「まずは支配下登録を目指し、兄を超えられるように頑張りたいです」と意気込みを語った。

北大津(滋賀)で3年夏に甲子園大会出場。1回戦の滝川二(兵庫)戦に先発し、8回1/3を投げたが4-5で敗れた。卒業後は、関西学生リーグの強豪近大に進学するも、右ヒジの故障などで公式戦の登板は1試合のみ。野球への未練があった則本は、知人の紹介で会った山岸ロジスターズの天野義明監督(47)の誘いに首を縦に振った。

チームでは主に中継ぎで活躍。当初は兄に似た直球で押すスタイルだったが、今春に草薙球場で行われたプロ野球のオープン戦で投手の工夫ぶりを見て参考にし、変化球で打たせて取るスタイルに変身。結果も出て、楽天スカウトの目にとまった。則本は「コースを突く丁寧な投球で、プロに評価してもらったと思います」と胸を張った。

ドラフトは勤務先の社長室で見ていたが、諦めかけていたという。それでも山岸一弥社長(53)から「(指名が)あるかもしれないから、最後まで見ておけ」と言われたことで、喜びの瞬間を目にした。入団後は「岸孝之投手のような緩急をつけた投球をしたい」。兄弟リレーに期待が集まるが、1人の投手として、チームを勝利に導く活躍を目指す決意だ。【河合萌彦】

◆則本佳樹(のりもと・よしき)1994年(平6)5月14日、滋賀・多賀町出身。北大津(滋賀)3年の12年夏に甲子園大会出場。1回戦の滝川二(兵庫)戦で先発した。近大卒業後の17年に山岸ロジスターズに加入。174センチ、79キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄2人。血液型A。