西武育成2位指名を受けた198センチの長身右腕、北海・大窪士夢(じゆ)投手(3年)が、ドラフト会議から一夜明けた26日、プロでの目標を口にした。

支配下登録されれば197センチの阪神・藤浪を抜き、日本人最長身選手となる。「この長身があったことで、プロの方が伸びシロを感じてくれた。僕は北海の巨人と呼ばれている。体を生かした投球で将来は、西武の巨人と呼ばれる選手になりたい」と意気込んだ。

前夜は、母理恵子さん(46)姉莉叶(りと)さん(23)と札幌市内の焼き肉店で祝賀会を兼ね食事をした。母には「ここで満足しちゃいけないよ。これからが勝負」と激励を受けた。女手ひとつで育ててくれた母から2月に贈られたグラブには、母の好きな言葉「夢叶う」と大窪自身の感謝の思いをこめた「恩返し」と刺しゅうが入っている。「僕の宝物。このグラブで活躍して稼いで、母を喜ばせたい」と話した。

この日は、札幌市中央区の荒井山まで後輩とともに往復15キロのランニングに出て、行きと帰りで1回ずつ「大きいね、何センチ?」と尋ねられた。「大きいね、ではなく、西武の巨人だと呼ばれるように」。甲子園に縁がなかった未完の大器が、プロの世界で知名度を上げ、超ビッグな投手への進化を目指す。【永野高輔】

◆大窪士夢(おおくぼ・じゆ)2000年(平12)8月2日、岩見沢市生まれ。岩見沢第一小3年で野球を始める。岩見沢緑中時代は岩見沢リトルシニアに所属。北海入学後は2年秋に背番号11。今春の全道大会、夏の南北海道大会ともに8強。最速は138キロ。家族は母と姉。198センチ、91キロ。右投げ右打ち。