ヤクルトのドラフト1位の国学院大・清水昇投手(22)が「クレバーさ」をアピールした。神奈川県内の同大で指名あいさつを受けた。ヤクルトの目標に163勝左腕の石川を挙げ「11度の2ケタ勝利をされている」と、さらっと詳細な数字を口にした。「東京出身ですが、ヤクルトを深く知っているかといったらそうじゃなかったので調べて臨みました」という用意周到ぶりで、周囲を驚かせた。

頭の良さは売りの1つだ。当時亜大生だったDeNA山崎が母校の帝京を訪問した際、2年生だった清水はツーシームの教えを請うて習得した。丸山スカウトが「考えて投げるし落ち着いている」と評する頭脳で、最速151キロの直球と5種類の変化球を駆使。伊東編成部長も「勝てる投手。順応性もある。プロで戸惑うことはないと思う」と、即戦力右腕の開幕ローテ入りに期待をふくらませた。

写真撮影では、つば九郎が行う筆談トークを求められ「じんぐうのもうしごと よばれるように がんばります!」と即座にマジックを走らせた。神宮は高校でも大学でも優勝できずに涙をのんだ地だが「本拠地で指名していただいて何かの縁」とうなずいた。伊東編成部長から手渡された小川監督のドラフト会議IDに記されていた言葉は「縁」。目標の開幕1軍と2ケタ勝利を目指し、知り尽くしたマウンドをクレバーに立ち回る。【浜本卓也】