西武から育成2位指名を受けた北海・大窪士夢(じゆ)投手(18)が29日、札幌市内の同校で、水沢英樹スカウト(49)から指名あいさつを受けた。大窪は「夢は大きくという話を受けた。まずは日本を代表する投手になり、将来メジャーという目標も芽生えた」と、日本人育成出身者初のメジャーリーガーを、大目標に掲げた。

大きな体でビッグな夢をつかむ。同スカウトは「ダルビッシュや大谷翔平の高校時代も見てきたが、彼らのようにメジャーを狙える素質を秘めている」と絶賛した。西武は、高校1年時からプレーを視察してきた。日本人最長身の阪神藤浪を1センチ上回る198センチの長身にもかかわらず、器用な身のこなしを評価。長身から低めを突く制球と、内外野をこなせる身体能力の高さにも着目し、伸びシロを感じ取った。

現在の最速138キロも水沢スカウトは「150キロ超え(の投手)もいれば、140キロ中盤で制球のいい投手(もいる)など、いろんなイメージがわく」と気にしない。1学年先輩のDeNA阪口は、コロンビアで行われていたU23ワールドカップで好投し、準優勝に貢献。大窪は「先輩に追いつけるように頑張りたいです」。1歩ずつ地道に上を目指す。【永野高輔】

◆育成選手から大成した主な選手 初めて主力クラスとなったのは、今季限りで引退した巨人の山口。07年5月に育成出身選手として初勝利を挙げると、08年にはセットアッパーに定着して新人王に輝き、翌年には最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得した。ほかには、同じく今季で引退したロッテ岡田や、ソフトバンク千賀らがいる。カープアカデミー出身で、広島の育成選手だったエスマイリン・カリダは、退団後の09年にカブスでメジャーデビューを果たしている。