沖縄・宜野座へ3番勝負だ!! 矢野阪神が秋季高知・安芸キャンプ中の17日に新体制初の対外試合(韓国LG戦)を組むことが5日、分かった。10日からの第3クールでも2試合の紅白戦を行う。この3試合は矢野燿大新監督(49)が来年2月の1軍キャンプメンバーを選ぶ判断材料にする方針。安芸で総仕上げの若虎サバイバルが展開される。

安芸キャンプの最終盤は来春1軍キャンプメンバー入りをかけて、壮絶なバトルになりそうだ。当初、実戦予定はなかったが、新たに3試合が組まれた。最大の注目は17日の韓国LG戦だ。近年の阪神新監督の秋季キャンプ中の対外試合は異例で、11年に和田監督が実施しようとしたが雨で中止。さらに今回はキャンプ打ち上げ前日の実施でテスト的な意味合いが強い。矢野監督も「そりゃ(メンバー選考の)参考にならないことはない。投手も投げたいだろうから。投手は味方に投げるより、思い切って攻められる」と説明した。

10月中旬に就任した矢野監督にとっては初の対外試合となる。若手が来季、1軍で活躍するための最初の試金石になる。若虎にとって、それぞれテーマが異なる。1軍当落線上の若手にとっては、結果が沖縄行きに直結していく。今秋ドラフト1位で大阪ガス・近本光司外野手(23=関学大)を指名し、外野争いは激烈だ。高山、中谷、島田、江越…。脱落をまぬがれるためにも、息つく暇はまるでないだろう。

矢野監督が中継ぎ左腕候補に位置づける島本VS飯田の一騎打ちも見ものだ。また、前日4日のシート打撃でバックスクリーンに本塁打を放った大山は来季の4番候補に挙がった。秋の3番勝負で強烈な印象を残せば、ライバルのベテラン福留、糸井らに先行するアピールになりそうだ。主軸への「足掛かり」となる重要な位置づけになる。

第3クール中にも2試合の紅白戦を組み込む。次期オーナーに内定している阪神電鉄・藤原崇起会長(66=球団オーナー代行)が安芸キャンプを視察する期間と重なる。スケジュールが合えば、初の“御前試合”になりそうだ。今季は01年以来、17年ぶりの最下位に沈んだ。だが、安芸での第1クールは若手の笑みがはじけ、活況を呈した。いざ1軍へ。真の主力へ。チーム再建に向けて、若虎が真剣勝負で自らの居場所を奪いに行く。【酒井俊作】