阪神が今日7日にオリックスから国内フリーエージェント(FA)権行使を表明する西勇輝投手(27)に速攻アタックすることが6日、分かった。かねて投手補強の本命に位置づけ、FA宣言した場合は獲得に向かう候補として一本化していた。ソフトバンクや中日などとの争奪戦が濃厚だ。出来高を含めて、4年総額20億円級の超大型契約を準備。新任の矢野燿大監督(49)が交渉に出馬する可能性も出てきており、獲得へ最大限の誠意を示す。

今季最下位からの巻き返しに打って出る阪神が、意中のターゲットへのアタックに向かう。通算74勝右腕のオリックス西が国内FA権行使を決断し、今日7日に表明することが判明。シーズン中から有力候補として熱心にプレーを注視。金本体制から矢野新体制に移行しても調査を重ね、いよいよ本腰で獲得を目指す。

チームにとって今オフ最大のプロジェクトだ。01年以来、17年ぶりの最下位にまみれ、チーム再建のまっただ中。10月25日のドラフト会議では野手中心の指名でセンターライン強化を図っていた。球団幹部は「投手補強も大事なポイントだが、FAで、全力でとりに行くということ」と方針を説明した。当初は現場の意向もくんで西武浅村を中心に調査してきたが、ドラフトを終え、投手強化の最重要ポイントとして、FA補強を西に一本化していた。

魅力的な先発投手だ。11年以降、5度の2桁勝利を挙げるなど、実績は申し分ない。今年も安定感を示す10勝。まだ27歳と若く、長期にわたって先発ローテーションの大黒柱として見込める。オリックスは熱心に残留交渉を重ねてきた。当然、他球団も興味を示し、ソフトバンクや中日など複数チームが獲得調査を進めており、争奪戦に発展しそうな気配だ。

FA権行使を表明すれば15日から契約交渉が解禁される。阪神も速攻アタックする構えで、堂々とFA戦線に参戦する。10月26日には大阪市内の電鉄本社で行われた定例報告会で、補強予算の議題も出た。電鉄もバックアップするスタンスで、かねてFA宣言した場合に備えて、出来高を含めれば4年総額20億円級の資金を用意し、超大型契約の準備を整えてきた。

また、熱意を示すべく、新任の矢野監督が交渉役に出馬する可能性も浮上。テーブルにつけば、チーム方針を直接、伝える貴重な機会となり、西にとっても判断材料になりそうだ。16年には当時の金本監督も、オリックスからFA宣言した糸井と対面して口説き落とした。新指揮官は高知・安芸で秋季キャンプを指導中だが、遠路駆けつける直接交渉に備えることになりそうだ。15年にはWBSCプレミア12で日本代表のバッテリーコーチを務め、西も侍ジャパンメンバーだった縁もある。阪神の命運を託す補強になる。最善を尽くしてラブコールを送る。