岩貞も、秋山も、藤浪も、みんなうかうかできんぞ! 阪神矢野燿大監督(49)が12日、高知・安芸での秋季キャンプで来季のローテ構想に触れ、壮絶バトルを予告した。当確を明言したのはメッセンジャーだけで、他の投手は全員白紙。今日13日の紅白戦では同学年の浜地と才木を先発対決させるなど、早くも火花がバチバチだ。

小雨がしとしと降り、最低気温12度と肌寒くなったキャンプ12日目。そんな寒さを吹き飛ばすかのように、矢野監督が先発バトルのゴングを鳴らした。「めっちゃ楽しみじゃない? 誰かを確定させるという感じはない。実績とかね。チームの立ち位置的に考えればランディがそうなると思うけど。それ以外はそんなに。競争、すごい」。

今季は先発ローテ5枚を固め、6枚目を流動的に組み替える戦法を取った。だが固定されていた5人もメッセンジャーを除いて例外ではない。侍ジャパンの岩貞、7勝の小野、シーズン最終盤に完封勝利を挙げた藤浪も同様。右膝の手術を受けた秋山、成長著しい才木も、終盤にアピールした青柳も全員競争だ。5つの空席を巡り、熱い身内バトルが繰り広げられる。

秋季キャンプでレベルアップを図る若手も楽しみな存在が並ぶ。昨年のドラフト1位馬場や今季中継ぎで37試合に投げた望月、紅白戦で好投した竹安、福永など、候補がわんさか。指揮官は「世代が本当に若いからさ。だから楽しみ。みんながホンマにいい意味で勘違いしてほしいなというか。オレはお世辞抜きでみんなすごいもんを持っていると思ってるからさ」と笑った。

次期オーナーに内定している阪神電鉄・藤原崇起会長(66=球団オーナー代行)も視察する今日13日の紅白戦では早速、激しい火花が散る。先発で投げ合うのは同じ20歳の高卒2年コンビ。才木と、こちらも先発候補としてアピールを続ける浜地だ。投手コーチの思惑で、あえて2人を先発に抜てきした。才木は「開幕から(ローテを)狙ってます」と堂々宣言。浜地も「1軍で投げないと仕事にならない」ときっぱりだ。指揮官は「みんながちょっとグワーって上がったらどんなことになるんかな」とワクワク。今日も安芸はアツい!【池本泰尚】