阪神が今オフ、中日を自由契約となったオネルキ・ガルシア投手(29)を来季の外国人先発補強候補に挙げていることが12日、分かった。来日1年目の今季はリーグ3位の13勝をマークし、日本野球への適応を証明。チームに不足する左腕で、補強ポイントにも合致する。本格調査を進めながら、米国で行われている大リーグのウインターミーティングの動向も注視し、獲得に動くかを判断する。

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最下位からの逆襲を期して、外国人補強の選定作業を行う阪神に新たな候補が浮上した。150キロ超で剛腕のキューバ人左腕。今季、来日1年目から活躍したガルシアだ。中日との残留交渉は、まさかの破談。2日に自由契約となり、去就が注目されてきた。

阪神は今年4月に国内FA権を取得したメッセンジャーが来年から日本人扱いになるため、新たな先発投手を調査してきた。ガルシアについて球団幹部は「ウインターミーティングがどうなるかも含めて考えていきます」と説明。先発候補の1人として浮上し、日本時間11日から、米国ラスベガスで行われているウインターミーティングの動向も見ながら、判断していく。

力量は申し分ない。今季は27試合に登板して13勝9敗、防御率2・99だった。150キロを超える球威が最大の魅力だ。190センチの長身から投げ下ろし、球は動き、制球はほどよく乱れて的を絞りづらい。阪神戦で3勝、防御率3・52と安定。特に夏場にかけて苦戦するなど、実力を見せつけられた。11月末に中日退団が決まると、谷本球団副社長兼球団本部長も「いい投手だとは思っていますけどね。うちも今年、いい投球をされましたよね」と高評価。「昨日、今日のことなので、これから」と言い、検討を示唆していた。

阪神にとって、先発左腕は補強ポイントの1つだ。今季は岩貞の7勝が最多。ルーキー高橋遥が2勝をマークしたが、故障で離脱した。能見は来季も救援に回るため手薄な状況に陥っている。ウイークポイントを埋める補強になりそうだ。

今オフは今季10勝、通算74勝右腕でオリックスからFAの西獲得に成功した。今季13勝のガルシアが加われば、先発陣に厚みが出るのは間違いない。阪神は、これまでジョシュ・リンドブロム投手(31=韓国・斗山)やジェイコブ・ターナー投手(27=タイガース)らに注目してきた。米球界などの動向を見極めて、助っ人投手獲得に動く。

◆オネルキ・ガルシア  1989年8月2日、キューバ生まれ。10年に米国亡命。12年にドジャースからドラフト3巡目で指名され契約。13年メジャーデビュー。今季は推定年俸5000万円で中日に加入し、球団の外国人では11年ネルソン10勝以来の2桁勝利となる13勝を挙げた。190センチ、104キロ。左投げ左打ち。

◆阪神今オフの補強 12月に入って、オリックスからFA宣言した通算74勝右腕・西勇輝投手(28)の獲得に成功。さらに、新外国人のセットアッパーとして、最速150キロ超の剛腕右腕ピアース・ジョンソン投手(27=ジャイアンツ)と契約を結んだ。ドラフトでは1位で大阪ガス・近本光司外野手(24)を指名するなど、センターライン中心に強化する方針だった。さらに先発と主軸を打てる外国人獲得を検討している。