巨人坂本勇人内野手(30)が、人的補償で広島に移籍した長野への思いを胸に秘め、チームをけん引する。

15日、沖縄・那覇市内で吉川大、北村、楽天西巻との自主トレを公開。長野の移籍決定後初めて報道陣に囲まれ「思うことはたくさんありますけど。決まってからの対応だったり、さすがだなと。チームは変わっても、関係性は変わらないので一緒にいい成績を残したいです」と話した。

長野からのメッセージも心に響いた。米国で自主トレ中の長野が本紙の電話取材に「勇人がキャプテンの時になかなか力になれなかったことは心残り。申し訳ないと思っている」と話した記事を目にし「寂しさがさらに増しましたし、うれしくも思った。いろんな部分でチームのプラスになってくれてた人なので」とかみしめるように話した。

今回の自主トレでは「松井稼頭央流(西武2軍監督)」と「宮本慎也流(ヤクルトヘッドコーチ)」を融合した。「稼頭央流」は正面、斜め、真横から3種類の手投げのゴロ捕球。12年に坂本勇自身が経験した「宮本流」は、守る側の左に転がしたゴロを捕って投げるを繰り返す。守備の基礎作りとともに下半身強化に直結し、「足がプルプル震える」ほどの負荷だった。

この日は午前9時から開始し、約6時間ぶっ通しで練習した。「年齢がいくにつれて、追い込むときは追い込まないと」と体幹、ランニングなどの肉体強化から、ノック、打撃と技術練習もみっちり消化した。「ゴールデングラブは常に目標ですし、打率、ホームラン、打点もキャリアハイを目指したいです」。PL学園出身のレジェンド2人のように太く、長い現役生活を目指す。【久保賢吾】