昨秋、ソフトバンクを戦力外となった吉村裕基外野手(34)が30日、現役続行の意思を明かした。昨年11月4日、球団から「退団者」としてリリースされ、12球団トライアウトも受験したがオファーはなかった。

「まだまだやれると思っているし、1度、ユニホームを脱いでしまったら、また選手としてグラウンドに戻るのは難しいですから」。キャンプインを2日後に控えたこの日も、吉村は福岡市内で孤独な練習に打ち込んだ。「もうキャンプなんですね。不思議な気持ちがします。でも、(退団後から)ずっと練習を続けているし、昨年以上に打撃もいい感じです」。バットを振り込んだ後、筋力トレで汗を流した。

厳しい現実は理解している。NPBへの復帰を第1希望にしながら海外にもアンテナを広げるつもりだ。昨季は1軍昇格がなかった。世代交代の波を肌で感じたが、負けるつもりはない。昨年、クリスマス直前に誕生した第1子である長男にユニホーム姿を見せたい。そんな思いも背中を押す。独立リーグからのコーチ要請も断り、バットマンとしての道を模索。「厳しい1年になることは分かっています。でも、まだ可能性にチャレンジしたい」。通算131発男は「朗報」を待つ。【佐竹英治】