右足という、くぎを黒土に根深く打ち込んだ。左足は高く2回上げた。

DeNA飯塚悟史投手(22)が4日、キャンプ初の打撃投手を務めた。隣で見守る三浦投手コーチの現役時代をほうふつとさせる、ゆったりとした2段モーション。神里、楠本ら打者4人に39球を投げ、安打性は1。最速148キロをマークし、平均球速も145キロ台と完璧な内容だった。「直球が1つのテーマだった。打者も直球と分かっている中で、空振りをしていたことはよかった」と手応えを口にした。

自主トレ中のキャッチボールでタメを意識する中で、2段モーションへの変更を決意した。「体重移動もうまくいっている。バランスをさらに意識したい」。進化をうながしたのは番長の金言もあった。2日のブルペン後に「(軸足の右は)足の裏だけでなく、土の下にくぎを刺し込むイメージで」とアドバイスを受けた。三浦投手コーチは「電柱も地面の上にそのまま立つのではなく、しっかり地面を掘った方がいいだろ」と独特な感覚を付け加えた。

5年目の飯塚はキャンプ初日から先発陣で唯一、2日連続でブルペン入りするなど、アピールを続ける。17年にプロ初勝利を挙げたが、昨季はわずか1勝にとどまった。同じ日に打撃投手を行った京山とは、先発ローテを争うライバルとなる。「全く意識していないわけではない。自分が結果を出していくしかない」。土台をしっかりと固め、首脳陣の目をくぎ付けにしていく。【栗田尚樹】