ヤバイよ、ヤバイよ~。ヤクルト塩見泰隆外野手(25)はマジで速いよ~。7日、ANA BALLPARK浦添で行われた今季初の紅白戦で盗塁を決めた。

やはり、リアクションが抜群だった。4回2死一塁。投手蔵本の3度のけん制は絶好の前振り。絶対に盗塁するなよの空気を受けながら、タイミングを計った。「けん制でも絶対に帰れるような重心の意識で、右足からパーンッと行く感じ。それがスタートにも生きる」。カウント0-1からの2球目、完璧な間合いで飛び出すと一気にトップスピードに突入。黒土を巻き上げ、一塁から3秒29の速さで二塁を陥れた。

リアルガチな結果を示した。昨年は武相高校の先輩でタレントの出川哲朗(54)が浦添キャンプに訪れ、小川監督に起用を猛プッシュ。今季は見事な盗塁に指揮官も「彼は代走から守備というのが多くなる。今日の盗塁は1つ良い物が見られた。能力だね」と絶賛した。外野は青木、バレンティン、坂口、雄平と駒がそろっているが、終盤の代走や守備固めが不安定。広島田中らを育てた河田外野守備走塁コーチも「土が重い中でスピードが落ちなかった。スライディングも非常に良かった」とほめる快足で、切り札的な存在に最も近づいた。

昨季は10月7日の阪神戦でプロ初安打も、直後の走塁でボーンヘッド。「あの時は浮かれてしまった。反省して、次の塁へ進む意識は高まった」と失敗は無駄にしない。「良い意味でヤバイ走塁をしたいです」と塁に出したくない男1位の座を狙う。【島根純】