「野人」もセンター争い参戦!! プロ5年目の阪神江越大賀外野手(25)が中堅バトルで猛アピールした。まるで、走攻守のフルコースだ。「前菜」は打撃。3回、バーベイトの外角速球を鋭い振りで中前へ。「スープ」代わりは足だ。すかさず二盗に成功し、存在感を示した。

そして「魚料理」は8回の右翼守備。猛チャージで前進しながら渡辺の飛球を泳ぐようにダイブ捕球。難しい角度にもかかわらず、グラブに収めた。舌を巻いたのは矢野監督だ。「スゴイやろ、アレ…。アイツの能力って半端ないからさ。捕るだけでもすごいけど、けがするんよね。あのプレー…。野人や、ホンマ野人やな」と絶句するしかなかった。

「口直し」の“トリックプレー”もある。2回2死一塁で安打が目の前へ。中堅で捕り、三塁への送球姿勢に入ると、つられるように打者走者平沼は二塁へ。だが急に身を翻し、強い二塁送球で刺した。センターは中谷、高山、新人近本らがひしめく激戦区だが、堂々と競い合う。チームトップ級の身体能力を見届け、指揮官は続ける。「江越は出たら、本当にゴールデングラブをとると思うし、スタメンで出たら盗塁王も狙える。本当にすごい」と期待した。

今季にかける。肉食系のごとく白球に食らいつき、4戦で13打数5安打、打率3割8分5厘の好発進だが「続けていけるよう頑張ります」とスキを見せない。甘く充実した「デザート」はまだ来ない。悲願の定位置を奪うまで、グラウンドを縦横無尽に駆け回る。【酒井俊作】