初の開幕投手を務める日本ハム上沢直之の勝負球は、すでに仕上がっていた。

巨人戦に2番手で登板。4回、丸を2-2から外角へ落とした140キロの高速フォークボールで大きく崩し、空振りを誘った。3回には中島、5回にはゲレーロからもフォークで空振り三振。相手のスイングをさせなかった。「変化球は、もう大丈夫」。手応えを深めるには最高の反応だった。

直球以上に右腕を振ることが、驚異の落差とスピードを生んでいる。「引っかけるような意識で、思い切り振るんです」。11勝を挙げてエースとして飛躍した昨季から、決め球の1つとしてきたフォークは、今季も健在。受けた鶴岡も「フォークは、いつも通りでしたね」と太鼓判を押した。ストレートやチェンジアップでも三振を奪うなど、周囲には盤石の調整ぶりに見えたが、本人は「真っすぐをもうちょっとしっかり投げたい。そうなれば、もっとしっかり“ピッチング”ができる」。求めるレベルは高い。