西武のドラフト7位ルーキー佐藤龍世内野手(22=富士大)が開幕と同カードのソフトバンク戦、適時打2本で開幕1軍を猛アピールした。9番三塁で先発。2回1死二、三塁、武田の138キロ低め直球に食らいつき、2点先制右前打を放った。5回の第3打席は1死二塁で中田の直球を左前に運び、1打点を加えた。「チャンスで打ててなかったので、1本打ちたかった。来た球を積極的に振っていこうと。1本出て満足しないようにしていました」と振り返った。

大学時代から守備の際、1球ごとに大声を出す元気者だ。だが、プロのキャンプを初体験し、人知れず打撃不振に悩んでいた。吹っ切れたのは高知遠征中、大学の先輩山川から助言を受けてから。「1日1本打て。切り過ぎだから、かち上げぐらいでいいよ」。疲労からダウンスイングになっていた。アッパー気味を心掛けると、打球がライナーに変化した。

辻監督は2安打ともに2球目を仕留めた積極打法に目を細めた。「打撃はいい。思い切りはあるし、ストライクは積極的にいく。守備は心配していない。三塁手らしい元気もある」。父が漁師で、入寮時に大漁旗を持ち込んだ若獅子は「大漁3打点」で目標の開幕1軍に近づいた。【斎藤直樹】