「赤ヘルの長さん」を抑える。巨人山口俊投手(31)が、丸の人的補償で広島へ移籍した長野を警戒した。

4日、川崎市のジャイアンツ球場で投手練習に参加し、先発予定の5日広島戦(マツダ)へ最終調整。昨季まで2年間ともに戦った3歳年上の先輩に「困った時や苦しい時に声をかけてもらって、助けてもらいました」と感謝しつつ、通算34打数11安打、打率3割2分4厘と相性の悪い“天敵”に「やっぱり嫌ですね」と表情をゆがめた。

派手にやられた記憶がある。11年10月22日、東京ドームでの巨人対横浜、両軍のシーズン最終戦。横浜の守護神だった山口は1点リードの9回から登板。無死満塁から巨人の代打長野に、外角高めの直球を右翼席中段まで運ばれた。「チャンスで打たれているイメージがあります。集中力が上がるのかなと」。史上8人目の代打逆転サヨナラ満塁弾で、5回から登板した内海の最多勝を確定させられた。抱き合う2人を横目に、ベンチへ戻ったシーンが、脳裏に焼き付いている。

昨季マツダスタジアムでは2試合に先発し、6回2/3を13失点で、防御率16・20。悪夢のような数字にも「どこの球場でも、打たれる日もあれば抑えられる日もある」と引きずらない。「ここで打たれたらシーズンでも、いい感覚を与えてしまう。今年初対戦なのでしっかりと抑えたい」。広島の背番号5を沈め、V3王者からマウントポジションをとる。【桑原幹久】