この2人なら快挙も夢じゃない!? 阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)と同ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)が、中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)で1、2番で先発出場。ともに2安打を放った。ドラフト制以降、開幕スタメンで1、2番にルーキーが並べば阪神史上初めて。フレッシュな2人が打線をけん引する。

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「1番木浪」「2番近本」。上位に並んだ2人のルーキー阪神の攻撃の軸となった。いきなり初回だ。1番木浪が中日吉見から左翼へ二塁打。得点にはつながらなかったが、チャンスメーク。7回1死一塁では初球を仕留め、適時二塁打を決めた。近本も負けていない。先頭の4、6回に安打で出塁。ともにホームを踏んだ。

実戦を重ねるたびに調子を上げる2人に、開幕スタメンへの期待は高まる。阪神の新人2人が開幕オーダーに並べば、72年にドラフト2位入団の中村勝広、同3位の望月充が出場して以来、47年ぶりとなる。当時は中村1番、望月3番で「1、2番コンビ」ではなかった。木浪が「塁に出ることができて良かった」と振り返れば、近本は「つなぐ、チャンスを広げるということを求められると思っている」と言った。

木浪は規定打席未到達ながら打率4割4分4厘と好調をキープ。近本は打率2割9分で、この日も4回に二盗を決めるなど、オープン戦4盗塁と足も武器に存在感を示している。矢野監督も2人の1、2番について「試しながらという部分はあるけど。守備も打順も、どこに入れても収まる形の選手ってすごくありがたい」という。

この日の試合前練習。木浪と近本は2人でキャッチボールを行い、ウオーミングアップの際にも2人で先頭に立ち、大きな声で盛り上げていた。木浪とコンビを組んだことについて、近本は「はたから見るとそう(ルーキーだと)思われるのは分かっている。1、2番でしっかりチャンスを広げて、点を取っていける1、2番になるのが大事」と語った。シーズン開幕の29日。その先発メンバーに2人の名前が呼ばれても、決しておかしくないところまできている。【磯綾乃】

▼阪神の新人近本、木浪が先発してともに2安打の活躍、開幕戦出場へまた1歩近づいた。新人野手が開幕戦に先発出場すれば、16年の高山以来となるが、2人同時に先発となると、阪神では72年の中村、望月以来47年ぶりのこと。72年は中日とのダブルヘッダーで、中村が1番二塁、望月が3番左翼で2試合とも先発。いずれも阪神が敗れた。65年のドラフト制後、開幕戦の新人同時出場はこのケースしかなく、木浪と近本が1、2番コンビで開幕戦先発なら初めてとなる。