守護神が帰ってきた。

右股関節手術から再起を期すソフトバンクのサファテが昨年4月15日のロッテ戦(鹿児島)以来、約11カ月ぶりに実戦マウンドに立った。

1点リードの9回、絶好のシチュエーションで出番がやってきた。「ピッチャー、サファテ」のコールにヤフオクドームが沸いた。

2安打と四球で満塁のピンチを招きながらも無失点で試合を締め、セーブを挙げた。チームメートとのハイタッチも11カ月ぶりだ。「すごく緊張しました。しっかり投げられたし、自分の今の状態が十分わかった。体の痛みを感じることもなかったし、ここからがスタートかな。自分の中で、忘れられない瞬間の1つになった」。サファテは興奮冷めやらぬ様子で、感慨深く振り返った。

通算234セーブ。名球会入りの250まであと16と迫る。昨年は4月末に股関節を痛めて手術し、5セーブに終わっていた。この日の最速は150キロ。空振りを奪うことができず、全盛期の姿にはまだ及ばない。それでも工藤監督は実績を信頼。「最初にしては上々じゃないかな。球威うんぬんは投げながら、アドレナリンを出してバッターに向かっていく中で上がっていくと思う」と安堵(あんど)の表情を見せた。

次回は週末の関東遠征での登板を予定。サファテは「投げ続けるだけ。プロ野球19年目なので。(開幕に)間に合わせられないと思うなら、今までやってきた野球が間違っていたことになる」と自信を見せた。焦らず急いで、完全復活を目指す。【山本大地】

 

▽ソフトバンク王球団会長(サファテについて)「あれだけ放れたんだから、まずは第1ステップをクリアしたということかな。これからだんだん上げていけばね」