ソフトバンク孫正義オーナー(61)が15日、東京・汐留のソフトバンク本社で工藤監督、選手たちへ改めてリーグV奪回、3年連続日本一を厳命した。

毎年恒例の本社での激励会だが、今年はドタバタだった。午後6時開始のはずが、福岡から東京へ来る選手の飛行機が50分遅れ、汐留へ向かうバスも渋滞にはまった。分刻みで仕事を抱える孫オーナーは午後6時30分には別の仕事へいかなければならない。苦肉の策として工藤監督と投手練習のために午前中に都内に来ていた5選手で10分遅れで始めようとしたが、その3分後にナインが到着。ギリギリの16分遅れで全員集合となった。

ステージに立った孫オーナーは「昨年日本一を取った後のイベントだから、気持ちいい。もちろん、シーズンでチャンピオンだったら、なお気持ちがいい。今年はシーズンでもチャンピオンになって、そして日本一を取ると願っております」とVを厳命した。

新人紹介などを省き、14分に短縮した激励会となった。だが、その後毎年行っていた孫オーナーと監督の囲み取材、ガッチリ握手をしての記念撮影は行われなかった。1人で対応した工藤監督は「我々は常に勝たなければならない。来年は気持ちよくなっていただければ」と孫オーナーの思いを受け止めた。あと15分遅れればオーナーと選手が同じステージにも上がれない悲惨な激励会となっていた。工藤監督は「バタバタしたけれどギリギリセーフ」と胸をなで下ろしていた。【石橋隆雄】